生成AIPR
仕訳インポート形式への変換手順|顧問先のExcel・明細を生成AIで整える
顧問先のExcel・明細を整える
仕訳CSVに変換する

生成AIで変換ルールを作る
ダミーデータから検証まで運営元・掲載情報について
本記事は、記事内で紹介している「Zeimee」を提供する株式会社Zeimeeが執筆・運営しています。会計ソフト各社、Microsoft、Google、Anthropicなどの情報は2026年10月10日時点の公式ヘルプ・公開情報をもとに記載し、外部への誘導リンクは設けていません。仕様は変更される場合があるため、最新の情報は各社の公式情報をご確認ください。
顧問先から届く売上集計のExcel、レジや銀行のCSV、手書き日計表の読み取り結果は、列の並びも日付や金額の書き方もばらばらで、会計ソフトの仕訳インポート形式への変換に毎月時間がかかります。
この記事では、生成AIに実データを渡さずに変換ルールを作らせる手順と、会計ソフト各社の公式仕様にもとづく取込前の検証項目を解説します。
- 先に会計ソフトの取込仕様を確認し、列順・日付形式・税区分の表記などを「取込仕様メモ」にまとめる
- 生成AIには実データではなく、ダミーサンプルと仕様を渡して数式・Power Query・VBAを書かせ、手元のExcelで実行する
- 手書き帳票は「読み取りはAI、検算はプログラム」に分け、原本照合の範囲を人が決める
- 取込前に件数・合計・日付・科目・税区分・文字・重複を確認する。2026年10月1日以降は経過措置70%の表記に注意する
- 変換ルールは顧問先ごとに台帳にし、担当者に依存させない
仕訳インポート用CSVへの変換と対象範囲
この記事で扱うのは、顧問先が作ったデータを会計ソフトの取込形式に整える作業です。会計ソフトを乗り換えるデータ移行は別の確認工程が必要です。移行が目的の場合は会計ソフト引越しAIをご覧ください。
| 元データの例 | 変換で発生する作業 |
|---|---|
| 売上集計のExcel | 店舗・日付ごとの横並びの表を1行1取引に直す、小計行を除く、税率ごとに行を分ける |
| レジ・販売管理のCSV | 決済手段(現金・カード)ごとに借方科目を振り分ける、日次で集計する |
| 手書き日計表の読み取り結果 | 読み取り誤りの確認、合計欄との検算、1日分を複合仕訳に組む |
| 銀行・カード明細のCSV | ▲や括弧付き金額の符号変換、摘要の整理、相手科目の判定 |
変換の中心は列順、日付、符号、科目・補助科目、税区分、複合仕訳の行構成です。
仕訳として取り込むか、明細として取り込むかを先に決める
銀行・カード明細は標準の明細取込で足りる場合があります。freee会計の明細アップロードや、弥生のYAYOI SMART CONNECT等について、利用中の製品・口座の対応を公式情報で確認します。仕訳で取り込むか、明細から仕訳候補を作るかを先に決めます。
| 元データ | 向いている取込ルート | 理由 |
|---|---|---|
| 銀行・カード明細のCSV | 明細取込+会計ソフトの自動仕訳ルール | 1行1取引で、相手科目の判定を会計ソフト側に任せられる場合がある |
| 売上集計のExcel・レジのCSV | 仕訳インポート | 売上の内訳や税率ごとの行分けを事務所の方針どおりに組む必要がある |
| 日計表(現金・売上・経費が混在) | 仕訳インポート(複合仕訳) | 1日分を複数行の仕訳として組む必要がある |
| 振替伝票形式のExcel | freee会計ならエクセルインポートも候補 | xls/xlsxのまま取り込めるが、マイナスの書き方などに条件がある |
生成AIの2つの使い方:実データを渡して変換させるか、変換ルールを書かせるか
A:実データを渡して取込形式を出力させる
通帳CSVや売上表をそのまま生成AIに貼り付けて取込形式で出力させる方法は手軽ですが、事務所の業務としては次の問題があります。
- 守秘義務:法人の取引情報も税理士法38条の秘密に当たり得ます。
- 個人情報:利用目的、学習利用、安全管理、委託・第三者提供の条件を確認します(PPCの生成AI注意喚起)。
- 検証:行の欠落や数字の変更を目で見つけにくく、同じ指示でも出力が変わり得ます。
B(推奨):ダミーサンプルで変換ルールを書かせ、手元で実行する
架空の取引先名・金額で作ったダミーサンプルと、列定義・取込仕様だけを渡し、Excelの数式、Power Query(Excelのデータ変換機能。M言語で手順を記述できる)、VBA(Excelのマクロ言語)を書かせます。実データは事務所のExcelで処理するため外部に出ず、変換ロジックが手元に残り、同じ入力なら同じ結果になります。
| 観点 | A:実データを渡す | B:変換ルールを書かせる |
|---|---|---|
| AIに入力する情報 | 顧問先の取引データそのもの | 架空値のサンプル、列定義、取込仕様 |
| 再現性 | 同じ指示でも出力が変わり得る | 同じ入力なら同じ結果 |
| 検証のしやすさ | 全行を元データと見比べる必要がある | 正解データと突き合わせて確認でき、検算も組み込める |
| 向く場面 | 機密性のない公開データの単発の整形 | 毎月同じ形式で届く顧問先データ |
名前だけを伏せた実データでも、金額や日付から取引が特定できる場合があります。サンプルは実在しない取引先名・金額で一から作ります。法律上の加工の扱いは守秘義務と入力可否の判断で確認してください。
業務向けプランでも学習利用・保存・人の閲覧は機能と契約で確認します。確認項目はAIツール選定の質問票にまとめています。
指示の型は会計事務所の生成AIの使い方も参考になります。
先に会計ソフトの仕訳インポート仕様を確認する(2026年10月10日確認)
変換ルールの基準は、取込先の会計ソフトの公式仕様です。各社の公式ヘルプから、変換に関わる要点を整理しました。
| 会計ソフト | 形式・主な条件 | 金額・税区分 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 弥生会計(デスクトップ) | CSVまたはテキスト。25項目の固定順。取引日付は会計期間内 | 整数の税込金額。税抜処理では税金額が必須。税率表示のない税区分は5%で取込 | 摘要は半角64桁超を切り捨て。インポート後は元に戻せない |
| 弥生会計 Next | CSV等の対応形式・列数は公式仕様を確認。会計期間外は取り込まれない | 未登録の税区分は置換のみ | エラー表示は10件まで。「インポートを続行」でエラー行を除いて取込 |
| freee会計(取引インポート) | freee形式のCSV、5MBまで、1行目のヘッダは残す、発生日YYYY/MM/DD | 金額は常に税込。税率表記のない税区分は5%扱い | 失敗行の再取込で成功行を含めると重複 |
| freee会計(エクセルインポート) | xls/xlsxのまま。行数の目安20,000行。1枚目のシートのみ | マイナスは「-1000」形式(▲・括弧は不可)。経過措置の「(控xx)」は全角カッコ | コードは完全一致のみ(「001」と「1」は別) |
| マネーフォワード クラウド会計 | 指定のサンプルフォーマットのCSV。取引日yyyy/MM/dd、会計年度内のみ | 税額は0か空欄。インボイス区分が空欄だと「適格」と判定 | 取込は毎回新規登録で更新不可。科目の「変換」は次回に引き継がれない |
弥生会計・弥生会計 Next・マネーフォワード クラウド会計の行数・ファイルサイズ上限や文字コードは、今回再確認できた公式ページでは判断できませんでした。弥生会計の文字コードも製品・取込メニュー別にサポートへ確認し、少量のテストで検証します。freeeには取引インポートのほか、振替伝票として登録する仕訳インポートもあります。取引か伝票かを先に決め、対応する仕様を参照します。
JDL・TKC・MJSなども、製品ごとに取込仕様が異なります。公開ページの条件をほかの製品へ流用せず、利用中の製品のマニュアルかサポートからレイアウトを取得します。
仕様書から「取込仕様メモ」を1枚作る
公式仕様の要点を1枚にまとめ、AIへの指示と検証の基準にします。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 列順・必須項目 | 弥生会計なら25項目の順序、マネーフォワードならサンプルフォーマットの列 |
| 日付形式 | YYYY/MM/DDなどの書式と、会計期間の開始日・終了日 |
| 金額 | マイナスの書き方、税込か税抜か、税額列の扱い |
| 税区分 | 会計ソフトの税区分一覧の表記を、税率まで含めてそのまま転記 |
| 文字数・ヘッダ行 | 摘要の上限(弥生会計は半角64桁)、ヘッダ行の要否と項目名 |
| 文字コード | 公式に記載があれば記入し、なければ「要確認」と書く |
仕訳インポート形式への変換手順:ダミーサンプル→ルール作成→手元で実行→検証
例えば、次の架空の売上集計から3行の仕訳を作る場合を考えます。金額は単なる例で、取込先に合わせて列順・税区分・伝票の構成を変えます。
| 日付 | 店舗 | 現金売上 | カード売上 | 返品 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/10/01 | 店舗A | 11,000 | 22,000 | ▲1,100 |
| 伝票 | 日付 | 借方 | 借方税区分 | 借方金額 | 貸方 | 貸方税区分 | 貸方金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 001 | 2026/10/01 | 現金 | 対象外 | 11,000 | 売上高 | 課税売上10% | 11,000 | 店舗A・現金売上 |
| 002 | 2026/10/01 | 売掛金(カード) | 対象外 | 22,000 | 売上高 | 課税売上10% | 22,000 | 店舗A・カード売上 |
| 003 | 2026/10/01 | 売上高 | 売上返還10% | 1,100 | 現金 | 対象外 | 1,100 | 店舗A・現金返品 |
1. 元データの列定義を書き出す
列名、型(日付・数値・文字)、書き方の例、空欄の有無を書きます。実際の値ではなく形式だけを書きます。
2. ダミーサンプルを10行ほど作る
返金(マイナス)、0円、税率の混在、摘要のカンマや改行、小計行を含めます。期待する出力を担当者が手で作り、正解データとして保存します。
3. 取込仕様メモと対応表を添えて変換ルールを書かせる
科目・税区分の対応表も渡し、数式・Power Query・VBAのどれで書くかとExcelのバージョンを指定します。
4. ダミーで動作を確かめ、手元で実データに適用する
変換結果を正解データとセル比較やCOUNTIF等で照合します。コードに日本語のコメントと処理の説明を付けさせ、理解できない削除・上書き処理を実行しません。確認後に事務所のPCで実データを変換します。エラーが出たら値を伏せて行の形式とエラー理由だけをAIに伝え、修正してダミーで再検証します。
5. 取込前の検証を通す
後述のチェックリストで件数・合計・日付・税区分などを確認します。
6. 取り込み、件数と合計を照合する
会計ソフトの仕訳帳で件数・合計・残高を元データと照合し、確認者と確認日を記録します。
「Microsoft 365のExcelで使うPower Query(M言語)を書いてください。入力列は日付(例:2026/10/01)、店舗、現金売上、カード売上、返品(▲表記)です。出力列は取引日、借方科目、借方税区分、借方金額、貸方科目、貸方税区分、貸方金額、摘要の順です。1行を現金・カード・返品の最大3行に分け、現金売上は現金/売上高、カード売上は対応表どおり売掛金/売上高、現金返品は売上高/現金としてください。科目と税区分は対応表で置き換え、日付はYYYY/MM/DDにしてください。変換できない値は空欄にせず『エラー理由』列に出してください。添付:ダミーサンプル、取込仕様メモ、対応表」
「空欄にせずエラー列に出す」と指示しておくと、変換できなかった行が気づかないまま取り込まれるのを防げます。生成AIで仕訳そのものを作る範囲はChatGPTで仕訳はどこまで作れる?AI-OCRとの使い分けで整理しています。
銀行・カード明細を仕訳形式に変換するときのルール
例えば銀行入金は借方が普通預金、貸方が相手科目、出金は逆にします。カードの利用は未払金等、口座引落はその消込みとして、二重に経費へ計上しない対応表を決めます。これは一般例で、実際の科目は顧問先の方針に従います。
| 条件 | 候補 | 確認条件 |
|---|---|---|
| 出金・電力会社コード | 水道光熱費/普通預金 | 対象物件・用途を確認 |
| 出金・家賃コード | 地代家賃/普通預金 | 契約と消費税区分を確認 |
| カード利用・事務用品コード | 消耗品費/未払金 | 用途・資産計上の要否を確認 |
| 未一致・条件の重複 | 要確認 | 仮科目を作らず、理由を残す |
残高による検算は仕訳候補の検証方法も参照してください。
数式・Power Query・VBAの使い分け
| 方法 | 向いている変換 | 注意点 |
|---|---|---|
| Excelの数式 | 列の並べ替え、日付・符号の変換、対応表による置換など1行で完結する変換 | XLOOKUP関数はExcel 2016・2019では使えない。Excelのバージョンを指示に書く |
| Power Query | 同じ形式の整形・結合。列のピボット解除で1行を決済手段ごとに複数行へ分ける | 手順がステップとして記録され、元データは変更されない。更新で再実行でき、月次ファイルはフォルダー単位で結合できる |
| VBA | 伝票番号の採番・識別フラグの付与など、Power Queryで書きにくい行の組み立て | Windows版Officeでは、メール添付やダウンロードしたファイルのマクロが既定でブロックされる。コードは事務所内で保管・確認する |
Excel特有の落とし穴
- 文字コード:Power QueryのText/CSVコネクタは文字セットを推論せず、UTF-8はBOM付きの場合のみ推論されます。文字化けしたら読み込み時に文字コードを指定します。
- 先頭の0:データ型の自動検出は最初の200行かデータ全体が基準です。科目コード・取引先コードはテキスト型に固定します。
- CSVの保存:CSVとして保存されるのは現在のワークシートだけです。出力用のシートを選び、指定された文字コードの形式で保存します。保存形式の名称だけで判断せず、取込仕様メモと照合します。日付書式や先頭の0は画面の表示形式のまま書き出されるため、保存後のファイルも確認します。
手書きの日計表・売上帳は「読み取りはAI、検算はプログラム」に分ける
手書きの文字認識と構造化はAI、検算は数式・Power Queryに分けます。整った表でも読取値が正しいとは限りません。
| 確認内容 | 確認方法 |
|---|---|
| 明細行の合計と合計欄 | 読み取った明細の合計と、合計欄の読み取り値が一致するか |
| 行数 | 原本と読み取り結果の行数が一致するか |
| 日付・金額 | 対象月の範囲内か、数値に変換でき桁数が想定内か |
合計が一致しても科目・日付・文字の誤りは残り得ます。導入時に誤り方を確認し、どの行を原本照合するかを責任者が決めます。この考え方はAI-OCR導入後のダブルチェックを「要確認だけ見る」体制にでも解説しています。
Zeimeeの公開事例では、手書き日計表の一行ずつの確定作業を省きました。あわせて、JDL向けCSV作成のExcel5工程を1画面に集約しています。
帳票の読み取りは実データを扱うため、認められた業務用サービスの契約・学習利用・保存・処理先を確認します。変換ルールの作成はダミーで行います(守秘義務と生成AI)。取引履歴の整理例は相続税申告の預金取引履歴を参照してください。
取込前の検証チェックリスト:件数・貸借合計・日付・科目・税区分・文字コード
変換したファイルは取り込む前に次の項目を確認します。確認方法を数式やPower Queryに組み込んでおくと、毎月同じ手順で確かめられます。
| 確認項目 | 確認方法 | 見落とした場合に起きること |
|---|---|---|
| 件数 | 元データの行数=出力行数+除外行数 | 行の欠落に気づけない。弥生会計 Nextは続行するとエラー行を除いて取り込まれる |
| 金額 | 元データの合計=借方合計=貸方合計。伝票番号ごとにも借方合計=貸方合計を確認 | 読み違いや符号の誤りが残る。マネーフォワードでは貸借不一致がエラーになる |
| 日付 | 会計期間内か。H31/05/01など、正しくない元号表記を西暦か正しい元号に直したか | 弥生・マネーフォワード・JDL IBEX会計netは期間外を取り込めない。弥生会計は元号表記が正しくない日付を取り込めない |
| 勘定科目・補助科目 | 登録名称・コードと完全一致か | マネーフォワードは変換を選ばないと「未確定勘定」で取込、「追加」は中止しても実行される。弥生会計 Nextも置換の初期値は未確定勘定 |
| 税区分 | 税率まで書いた正式表記か。経過措置の割合が取引日に合うか | 弥生会計(デスクトップ)・freee(取引インポート)は税率のない税区分が5%扱い。マネーフォワードはインボイス区分が空欄だと適格扱い |
| 税込・税抜 | 仕様どおりの書き方か。税額を計算する場合は端数処理を顧問先・会計ソフトの設定に合わせたか | 弥生は税込で記述し税抜処理では税額必須、freeeの取引インポートは常に税込、エクセルインポートは税込・税抜を選択、マネーフォワードは税額列を0か空欄 |
| 文字コード | 取込仕様で指定された文字コード・BOMの有無で保存したか。記載がなければ少量のテスト取込で確認 | 文字化け・取込エラー |
| 文字・区切り | ダブルクォーテーション、セル内改行、環境依存文字、#N/A、区切り用のカンマ | マネーフォワード・freeeでインポートエラーの原因として挙げられている |
| 重複 | 同じ期間・ファイルを取り込み済みでないか | 弥生は再インポートしても警告なしで重複登録。freeeは失敗行の再取込に成功行を含めると重複 |
| バックアップ | 取込前に取ったか | 弥生会計はインポート後に元の状態へ戻せない |
2026年10月以降は経過措置70%の表記に注意する
国税庁によると、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置は、2023年10月1日からの3年間が80%、2026年10月1日からの2年間が70%です。取込ファイルの税区分も取引日に応じて切り替えます。割合だけでなく同一の相手からの課税仕入れの上限など、適用要件を確認します。
弥生会計 Nextの公式「インポートデータの記述形式(税区分)」は、税区分末尾に区分と割合を付加し、「70%」等を指定すると案内しています。未指定時は取引日付や科目設定から自動判定しますが、会計ソフトの設定が台帳の方針と合うかを確認します(2026年10月10日確認)。デスクトップ版は公式例が80%のため、最新の対応を別に確認します。
仕訳と経過措置の適用要件はインボイス7割控除(経過措置70%)の仕訳と記帳対応を参照してください。
顧問先ごとの仕訳インポート変換ルールを台帳にして引き継ぐ
変換ルールが担当者の記憶やファイルの中だけにあると、異動や退職のときに引き継げません。顧問先ごとに次の項目を台帳に残します。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 元データ | 種類、届く形式と時期、列定義 |
| 出力先 | 会計ソフト名と取込メニュー(仕訳インポート・エクセルインポート・明細取込) |
| 科目・税区分の対応表 | 勘定科目・補助科目の対応、税区分の正式表記と適用期間(経過措置は2026年10月1日に80%→70%) |
| 例外処理 | 返品、0円、軽減税率の混在、合計不一致の扱い |
| 変換ツール | ブック・クエリ・マクロの保存場所と版 |
| 確認記録 | 最終確認日と確認者 |
数式・クエリ・マクロは台帳と一緒に保管し、作者以外も読める状態にします。職員の確認体制も整えます(税理士法41条の2)。
台帳の作り方は顧問先別の仕訳ルール台帳の作り方、入力部門の工程別の分担は記帳代行業務のAI活用で解説しています。
自作の限界を見極める:例外の増加・担当者依存・取込失敗の切り分け
次のような状態が見えたら、自作の変換ルールを見直す時期です。
- 例外の分岐が増え、作成者以外は数式やマクロを読めない
- 顧問先ごとにブックが増え、どれが最新版か分からない
- 取込エラーの原因が、元データ・変換ルール・取込仕様のどこにあるか切り分けられない
- 税制改正や会計ソフトの仕様変更のたびに、全顧問先分を直している
選択肢は、会計ソフト標準の明細取込や自動仕訳ルールに寄せる、市販ツールを使う(記帳自動化ツールの比較)、連携方式を見直す(CSV・API・MCPの違い)、業務に合わせて仕組みを設計する外部支援を使う、などです。
Zeimeeは、帳票の読み取り、仕訳候補の作成、チェック、取込データ作成を業務に合わせて設計・実装する支援をしています(記帳自動化AI)。掲載例は特定の現場での開発例で、出力形式や設定により追加対応が必要です。料金は個別見積もりです。月に数件で形式が決まる顧問先なら、標準機能や数式から検討します。
よくある質問
ChatGPTにファイルをアップロードしてコード実行で変換するのは方式Aですか?
実データをサービスへ渡すため方式Aです。AIにコードだけを書かせ、実データを手元で処理する方式Bとは情報の出し方が異なります。契約と所内規程で入力可否を確認します。
Power QueryとVBAはどちらを使いますか?
整形や列のピボット解除はPower Query、採番や識別フラグ等の書きにくい組立てはVBAを検討します。まずダミーと正解データで検証してください。
事務所契約のAIなら実データで変換してよいですか?
契約名だけで決めず、学習利用・保存・処理先と所内規程を確認します。許可されたサービスでも、繰り返す変換はルールを手元に残す方式Bの再現性を比較します。
CSVはUTF-8とShift_JISのどちらにしますか?
取込先の製品・メニューの公式仕様に合わせます。文字コードとBOMの有無を仕様メモに残し、記載がない場合はサポート確認と少量のテストを行います。
会計ソフト間の移行データにも同じ手順を使えますか?
移行は科目・補助科目・開始残高・年度等の突合も必要です。この記事の顧問先資料の月次変換とは別の工程として計画します。
市販の変換ツールやAI-OCRとどう使い分けますか?
定型データを既存機能で処理できれば、その検証と運用を優先します。自作は同じ形式の変換が繰り返され、確認・修正できる担当者がいる範囲から始めます。
合計が合えばそのまま取り込めますか?
合計だけでは不十分です。別日付・科目・税区分や同額の重複は残り得ます。取込前の表と取込後の仕訳帳の両方で確認します。
まとめ
最初は形式が決まった顧問先を1件選びます。公式仕様から取込仕様メモを作り、ダミーサンプルと期待する出力を手で用意します。次に変換ルールと検証用の数式を作り、例外を含むサンプルで一致を確かめてから実データへ適用します。仕様メモ・対応表・変換ツール・確認記録をセットで台帳へ残すと、次の月も同じ基準で確認できます。
参考資料
情報の確認日:2026年10月10日。別日の資料は個別に記載しています。
主な出典
- 仕訳データの項目と記述形式(弥生株式会社)
弥生会計へ出力するCSVの仕様。
- 他社会計ソフトから仕訳データを移行する(freee株式会社)
仕訳データの移行と取込方法。
- 「仕訳帳」をインポートする(株式会社マネーフォワード)
クラウド会計の取込仕様と確認。
- 生成AIサービスの利用に関する注意喚起(個人情報保護委員会)
CSVに含まれる個人情報の扱い。
出典の詳細を見る
法令・官公庁の資料
- 税理士法(第38条、第41条の2)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2025年10月1日施行版)
- 個人情報の保護に関する法律(第2条第5項、第18条、第23条、第25条、第27条、第41条第6項)(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年10月1日施行版)
- 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会、2023年6月2日公表)
- 「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(Q7-53)(個人情報保護委員会、令和7年7月1日更新版)
- 令和8年 改正個人情報保護法について(個人情報保護委員会、2026年10月1日時点の掲載内容)
- インボイス特設サイト 令和8年度税制改正特集(7・5・3割控除)(国税庁、更新日の記載なし)
会計ソフト・ツール提供会社の公式資料(外部リンクは設けていません)
- インポートデータの記述形式(税区分)(弥生株式会社 弥生会計 Next サポート情報(ID:ida29612)、更新日の記載なし)
- 他社会計ソフトから仕訳データを移行する(freee株式会社 freeeヘルプセンター、更新日未確認)
- 仕訳データの項目と記述形式(他製品から仕訳データをインポートする場合など)(弥生株式会社 弥生会計サポート情報、更新日の記載なし)
- 仕訳データを取り込む(インポート)方法(弥生株式会社 弥生会計サポート情報、更新日の記載なし)
- 課税方式別税区分・税計算区分一覧(弥生株式会社 弥生会計サポート情報、更新日の記載なし)
- 仕訳データをインポートする(弥生会計 Next)(弥生株式会社 弥生会計 Next サポート情報、更新日の記載なし)
- YAYOI SMART CONNECT(弥生株式会社 製品ページ、更新日の記載なし)
- 取引・口座振替のインポート(一括登録)(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年9月10日更新)
- Excel・販売管理ソフトからデータを取り込む(エクセルインポート)(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年9月17日更新)
- インポートに関するよくある質問(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年4月1日更新)
- freeeに手動でアップロードする明細を用意する(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年6月30日更新)
- AIおまかせ明細取得(β版)でCSVファイルから明細を取り込む(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年6月29日更新)
- 消費税の仕入税額控除の経過措置について(freee株式会社 freeeヘルプセンター、2026年7月16日更新)
- 「仕訳帳」をインポートする(株式会社マネーフォワード クラウド会計 使い方ガイド、2026年7月9日更新)
- 仕訳インポート時にエラーメッセージが表示されます。対処方法を教えてください。(株式会社マネーフォワード クラウド会計 FAQ、2026年7月9日更新)
- データの連動・連携 CSV入出力(JDL IBEX会計net/JDL IBEX出納帳net)(株式会社日本デジタル研究所、更新日の記載なし)
- オンラインQ&A FX4クラウド(公益)「他社のシステムなどから仕訳を読み込む方法」(株式会社TKC、2024年8月16日更新)
- ACELINK NX-Pro 会計業務(株式会社ミロク情報サービス、更新日の記載なし)
- Power Query とは(Microsoft Learn、2026年9月30日更新)
- Power Query Text/CSV コネクタ(Microsoft Learn、2026年6月29日更新)
- ファイルの結合の概要(Microsoft Learn、2025年8月29日更新)
- テキスト ファイル (.txt または .csv) をインポートまたはエクスポートする(Microsoft サポート、更新日未確認)
- XLOOKUP 関数(Microsoft サポート、更新日未確認)
- インターネットからのマクロは、Office で既定でブロックされます(Microsoft Learn、2026年7月17日更新)
- Microsoft Copilot および Microsoft Copilot Chat におけるエンタープライズ データ保護(Microsoft Learn、2026年5月29日更新)
- Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ(Google、2026年10月6日更新)
- Gemini アプリのプライバシー ハブ(Google、2026年9月24日更新)
- Is my data used for model training?(商用製品)(Anthropic Privacy Center、2026年8月18日更新)
この記事の編集方針・執筆者
Zeimee編集部は、会計事務所のAI導入・開発を支援する株式会社Zeimeeの編集部です。
本記事は、法令(e-Gov法令検索)、個人情報保護委員会・国税庁の公表資料、会計ソフト各社の公式ヘルプ、MicrosoftやGoogleなどの公式ドキュメントといった一次情報を中心に、2026年10月10日に内容を確認して作成しています。確認できなかった仕様は、本文に「確認できなかった」と記載しています。
会計ソフトへの実際の取込や、変換ルール(数式・Power Query・VBA)の動作の実機検証は行っていません。表やプロンプトは一般的な例で、特定の事業者の実績ではありません。令和8年改正の個人情報保護法は確認日時点で未施行のため、条文は現行法で記載しています。個別の判断は、専門家や所管官庁にご確認ください。
