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会計事務所のAI導入は内製・外注・パッケージのどれ?5つの方法を比較

内製・外注・パッケージ

AI導入をどう選ぶ?

5方法

費用・体制・保守を比較

事務所に合う方法を選ぶ
運営元・掲載情報について

本記事は、FDE型のAI導入・開発支援「Zeimee」を提供する株式会社Zeimeeが執筆・運営しています。5つの方法は同じ比較項目で整理し、FDE型の短所と向かない事務所も記載しています。特定の他社製品の比較・評価は行っていません。法令・制度・他社の公開情報は2026年10月10日時点の一次情報に基づいており、変更される場合があります。

既製ツールが帳票や取込形式に合わず、内製か外注かで迷う会計事務所向けに、5つの方法を費用・体制・保守・データの扱いで比較します。

この記事の結論
  • 方法の優劣ではなく、「業務の固有度」と「作った後に誰が直すか」で選びます。
  • 共通の工程はパッケージ、小さな変換は内製、入力業務を手放すなら記帳BPOが候補です。個別開発には、仕様を決めた請負型、作りながら決めるアジャイル型、現場確認から導入後の改善まで担うFDE型があります。
  • 費用は、パッケージは料金表、内製は職員の時間、開発会社は契約類型、BPOは業務量、FDE型は個別見積もりで決まります。どれも修正・保守・撤退まで含めて比べます。契約とデータ管理も事前に確認します。
  • 補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)の対象は、事務局に登録されたITツールです。

会計事務所のAI導入は5つの方法がある|内製・外注・パッケージの比較表

会計事務所がAIを業務に入れる方法は、大きく次の5つに分けられます。いわゆる「内製」は2、「外注」は3〜5に当たります。

  1. パッケージ・SaaS:既製のソフトやクラウドサービスを使う。
  2. 所内での自作:職員がGAS(Google Apps Script)、ノーコードツール、AIなどで小さな仕組みを作る。
  3. 開発会社への外注:要件定義から依頼するか、仕様を決めて作ってもらう。反復して作るアジャイル型もある。
  4. 記帳BPOへの外注:入力業務そのものを委託する(BPOは業務プロセスの外部委託)。
  5. FDE型の伴走開発:本記事では、エンジニア(FDE:Forward Deployed Engineer)が事務所の現場で業務を確認し、設計・実装から導入後の改善までを担う形態を指します。

5つを同じ項目で比べると、次のとおりです。

表は左右にスクロールできます。

比較項目パッケージ・SaaS所内での自作開発会社への外注記帳BPOへの外注FDE型の伴走開発
費用の決まり方提供会社の料金表(月額・従量・利用者数など)ツール利用料に加え、作る人・直す人の人件費と学習時間請負は成果物・納期で代金を確定しやすく、準委任は工数の実績で算出されることが多い委託先の料金体系(例えば仕訳数や業務量に応じた単価)対象業務・帳票・連携先ごとの個別見積もり
立ち上げまでの流れ試用→設定→顧問先ごとの初期設定作る人がいればすぐ始められるが、範囲が広がると止まりやすい要件定義→設計→開発→テスト→検収委託範囲・資料の受け渡し・品質基準を決めて移行現場確認の期間を確保→試作→試用・修正
所内に必要な人設定と運用ルールを決める担当者作れて直せる職員(作者以外にもう1人)要件をまとめ、検収する担当者委託先との連絡と品質確認の担当者業務を説明し、試用して判断する担当者
作った後に誰が直すか提供会社。個別の要望が反映されるとは限らない作った職員保守契約の範囲で開発会社。権利やソースの扱いによっては他社に改修を頼めない仕組みは委託先側。事務所は委託範囲と手順を見直す契約の範囲で提供会社。提供会社への依存が生じる
顧問先データと契約上の位置づけ提供会社が個人データを扱えば委託として監督。扱わない場合も自ら安全管理措置所内と職員が使うクラウド。生成AIは入力データの学習利用を確認開発・テスト・保守で個人データを扱えば委託として監督委託先に渡る。委託先の監督と再委託の確認提供会社が個人データを扱えば委託として監督
向く業務多くの事務所で共通の工程(明細の取込、証憑の読み取りなど)1〜数人が使う小さな変換・集計仕様を決めた開発、または要件定義・アジャイル型の契約で段階的に決める業務入力業務そのもの(繁忙期の量の山)例外が多く作りながら決める業務、会計ソフトへの取込まで一気通貫で作る業務
主な長所試用しやすく、改修を提供会社に任せられる小さな変更をすぐ反映でき、ノウハウが所内に残る必要な機能を作り、権利や納品物を取り決められる入力量の山を外部の体制で受けてもらえる現場の例外と取込工程を踏まえ、導入後も改善する
繁忙期に止まったとき提供会社の復旧・サポート待ち作者も繁忙で修正できないおそれ保守契約の対応時間・優先度次第委託先の受入量・納期次第契約範囲で対応。所内の試用・判断時間も必要
主な短所固有の工程に合わない。カスタマイズは費用増やバージョンアップの支障になり得る属人化、技術上の上限、認証情報の管理変更・保守に追加費用が生じる。権利の取り決めによっては他社改修が難しい判断のノウハウが所内に残りにくい。委託先管理の負担現場確認・試作に時間と費用が要る。総額が見えにくく提供会社への依存もある

費用の内訳で比べる

相場ではなく、同じ対象業務の見積もりで次の費目を照合します。金額の計算はAI費用対効果の測り方を参考にしてください。

AI導入5方式の費用内訳表は左右にスクロールできます。
費目パッケージ・SaaS内製開発会社記帳BPOFDE型
初期設定・移行料の有無作成・検証の時間要件定義・開発の範囲引継ぎ・移行料の有無現場確認・試作の範囲
継続月額・人数・従量利用料と運用時間利用料・継続開発件数・業務量・最低料金継続支援の範囲
追加改修設定内か別料金か職員の修正時間変更手続きと追加見積もり委託範囲の追加単価改善枠内か別見積もりか
保守標準サポートの範囲不具合調査・修正時間保守料金と対応時間差し戻し対応の範囲改善と保守の区分
所内の時間設定・例外処理作成・教育・引継ぎ要件説明・検収資料受渡し・品質確認業務説明・試用・判断
解約・撤退データ出力・移行他担当者への引継ぎソース・権利・移管資料とルールの返却設定・ルール・データの移管

選ぶ前に決める4つの判断軸|業務の固有度と「作った後に誰が直すか」

対象業務について、次の4点を決めます。

1. 業務の固有度

帳票・勘定科目・補助科目・取込形式の違いを洗い出します。共通の工程は既製品、固有の工程は設定で足りるか個別開発が必要かを試用で確認します。

2. 作った後に誰が直すか

年1回の処理や新しい帳票を誰がいつ直すか、障害時の連絡先と対応時間を決めます。試作と切り替えは繁忙期前に終え、手作業へ戻す手順を残します。

3. 顧問先データをどこまで外に出すか

税理士は、正当な理由なく税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は窃用してはなりません(38条)。54条は事務所の使用人その他の従業者が対象です。外部事業者とは秘密保持契約を結び、情報を渡すこと自体に正当な理由があるかも確認します。詳しくは税理士の守秘義務と生成AIを参照してください。

4. 会計ソフトへの渡し方

CSV等の取込形式とAPIの利用条件を先に確認します。例えばTKC「FXクラウドシリーズAPI」の公式ページ(2026年10月10日確認)では、顧問先が使うクラウド会計と外部プログラムの連携に利用者の同意が必要で、プログラム提供者は申込・審査・契約・連携テストを経て利用する流れです。詳細は会計ソフトとAIの連携方法で比較しています。

パッケージ・SaaSが向く業務と限界

通帳・カード明細の取込や証憑の読み取りなど、共通の工程に向きます。候補は記帳自動化ツールの比較を参照してください。

カスタマイズで合わせる前に考えること

パッケージの設定だけで合わない部分を無理に改修すると、費用やバージョン更新の負担が増えます。IPAのモデル契約は「製品を業務に合わせる」「業務を製品に合わせる」の対極を示し、実際には業務の汎用性・特殊性に応じた中間の選択になると説明しています。残る作業だけを自作・開発で補う方法もあります。

データの扱いは「提供会社が個人データを取り扱うか」で分かれる

PPCのQ&A 7-53・7-54では、提供会社が個人データを取り扱うかで委託への該当性を判断します。契約とアクセス制御により取り扱わない場合も、事務所自身の安全管理措置は必要です。

選定時は、データの保存場所、AIの学習への利用の有無、再委託の有無、解約時のデータ返却・削除をベンダーに確認します。質問項目はAIツール選定セキュリティチェックシートにまとめています。

内製(所内での自作)が向く作業と止まるポイント|GAS・ノーコード・コーディングAI

内製は、入力と出力が決まり、例外が少ない小さな作業に向きます。GAS、ノーコード、コーディングAI(指示文からプログラムを生成するAI)を使い、例えば明細CSVの列の整形、資料回収状況の集計、Excelの列を仕訳取込形式へ並べ替える仕組みを作ります。仕訳インポート形式への変換手順では小さく試す例を紹介しています。

止まるポイント1:作った人しか直せない

仕様書やテスト用のデータが残っていないと、作った職員の異動・退職や繁忙期に直せなくなります。生成されたコードを作者自身が読めず、直せない場合もあります。作者以外にもう1人、修正と検証ができる人を置きます。

止まるポイント2:技術上の上限

Google公式のApps Script割当表は1回の実行を6分までとし、制限は変更され得ると案内しています(2026年10月10日確認)。件数が増えた場合の処理時間を試します。

止まるポイント3:認証情報と入力データ

APIキーやログイン情報をコード・共有シートへ直接書き込みません。生成AIへ入力する情報、学習利用の条件は所内の生成AI利用規程で決めます。

自作ツールを職員に使わせる前のチェックリスト表は左右にスクロールできます。
確認項目確認すること対応の目安
作者以外が直せるか直し方を知る職員が2人以上いるか1人だけなら、先に手順書と仕様のメモを作る
テスト用のデータ顧問先名や個人名を除いた検証用データがあるか修正のたびに同じデータで結果を確かめる
認証情報の保管場所APIキー・ログイン情報がコードやシートに書かれていないか管理者と保管場所を決める
止まったときの手順仕組みが動かないときの手作業の手順があるか手順書を共有の場所に置く
利用者と利用範囲誰がどの顧問先・業務に使っているか一覧にして、変更時に更新する

開発会社への外注で失敗しやすい点|請負か準委任か

請負・準委任と開発の進め方

請負は仕事の完成を約束し、その結果に報酬を払う契約です(民法632条)。準委任は事務の処理を任せる契約で、完成義務を負わず、善良な管理者の注意をもって処理する義務を負います(643・644・656条)。

開発会社は仕様どおりの製作だけでなく、要件定義やアジャイル型の開発も担えます。IPAの通常版モデル契約は工程別の請負・準委任の選択を示し、アジャイル開発版は準委任を前提に、依頼者も優先順位と判断を担う体制を示しています。

会計事務所で起きやすい要件のずれ

例外、年1回の処理、繁忙期の運用を要件に含めます。代表的な帳票と期待する出力を、所内で認めた方法で開発側に示します。

作ったものを他社でも直せるか

別段の定めがなければ職務上作られたプログラムは開発会社に帰属します(著作権法15条2項)。譲渡する場合も27・28条の権利は特に記載が必要です(61条2項)。ソース、改修権限、保守と再委託を以下の表で確認します。

開発会社と契約する前のチェックリスト表は左右にスクロールできます。
確認項目確認すること注意点
契約類型フェーズごとに請負か準委任か要件が固まらない部分を請負にしていないか
成果物ソースコード・設計書・手順書を納めてもらえるか納品物の一覧を契約書に書く
著作権の帰属開発会社帰属・固有部分は発注者帰属・共有のどれか譲渡なら27条・28条の権利を特に記載する
再委託事前承諾にするか個人データを扱う再委託先の把握
保守範囲と料金の決まり方例外の追加や会計ソフトの仕様変更への対応
データの返却・削除開発・テストで使ったデータの扱い終了時の削除方法と報告
検収何をもって完成とするか検収期間と通知期限。種類・品質の不適合は民法637条の期限と契約の定めを確認

記帳BPOへの外注が向く事務所と委託先の管理

記帳BPOは、仕組みを作るのではなく入力業務そのものを外に出す方法です。委託先がAIを使うかは委託先側の判断になり、事務所に残るのは委託範囲の決定、資料の受け渡し、品質の確認です。

外部に任せられる範囲

税理士業務に当たる申告書の作成等は、税理士・税理士法人でない記帳BPO事業者には任せられません(税理士法2条1項・52条)。記帳入力と税務判断の分担を明示し、境界が曖昧な作業は税理士会等に確認します。

委託先の管理

個人データを扱う記帳委託には、委託先の選定、委託契約、取扱状況の把握が必要です(個人情報保護法25条、PPC通則編3-4-4)。再委託も報告・承認等で把握します。

顧問先から受けたマイナンバー事務を再委託する場合は顧問先の許諾と監督が必要です(番号法10・11条)。記帳BPOのセキュリティ対策で確認します。

2026年公布の個人情報保護法改正は未施行のため、現行義務と区別します。令和8年改正の整理も確認してください。

記帳BPOが向く事務所・向かない事務所

繁忙期に入力量の山があり、入力の人員が足りない事務所に向きます。一方、顧問先ごとの判断が多く、その判断の基準を所内に残したい場合は、業務を外に出すと蓄積しにくくなります。入力部門とBPOの工程別の分担は記帳代行業務のAI活用で紹介しています。判断基準を所内に残すには顧問先別の仕訳ルール台帳も引き継ぎます。

FDE型の伴走開発とは|向く事務所・向かない事務所と短所

本記事のFDE型は、エンジニアが事務所の現場で業務を確認し、帳票の読み取りから仕訳候補・チェック・会計ソフトへの取込までを設計し、導入後の改善も担う提供形態です。作りながら決める開発は通常の開発会社でも可能で、現場確認と継続改善をどこまで契約に含めるかで比較します。

FDE型が向く事務所

  • 帳票の様式が多様で、例外を実物から洗い出す必要がある。
  • 読み取りから取込までの工程が多段になっている。
  • 業務を説明し、試用して判断する担当者を出せる。
  • 現場で試作を使いながら優先順位を決め、導入後も改善したい。

常駐・同席しても、発注者が開発者の作業方法や労働時間を直接指示する形は労働者派遣との区別が問題になります。厚生労働省の疑義応答集を踏まえ、役割と指示系統を合意します。

FDE型の短所

  • 事務所側の時間が要る:職員が業務を説明し、試作を使って意見を返す時間を確保できないと進みません。
  • 立ち上げに時間と費用がかかる:現場確認・試作の期間と工数が必要です。
  • 範囲が決まるまで総額が見えにくい:作りながら範囲を決めるため、最初に総額を確定しにくくなります。
  • 提供会社と担当エンジニアへの依存:継続の契約や、担当者が替わったときの引き継ぎ方を確認しておく必要があります。
  • 定型業務だけなら手間が見合わない:現場の確認から始める分、パッケージで足りる業務では割に合わないことがあります。
FDE型・導入支援会社と契約する前のチェックリスト表は左右にスクロールできます。
確認項目確認すること注意点
契約類型請負・準委任の区分完成基準と各社の役割を明示
現場確認と試作実施頻度・期間・対象業務職員の説明・試用時間も確保
改善と保守見積もりに含む範囲・対応時間追加費用と優先順位の決め方
担当交代引継ぎ資料と代替担当者属人化していないか
終了時に残るもの設定・顧問先別ルール・データ・手順書利用・改修権限と出力方法
返却と削除本体・バックアップ・再委託先削除時期と報告方法
承認と反映人が候補を確認する流れ承認と会計ソフト反映完了を別に確認

運営元の事例

Zeimeeの公開事例では、顧問先2,000件超の税理士事務所でエンジニア2人が約1か月現場を確認し、手書き日計表の一行ずつの確定作業を省き、JDL向けCSV作成のExcel5工程を1画面に集約しました。料金は個別見積もりです。候補の承認と会計ソフトへの反映完了を分ける方針はセキュリティ方針で公開しています。

FDE型が向かない事務所

定型処理だけで既製ツールが合う、試用・判断の時間を出せない、業務手順を外部に示せない場合は向きません。パッケージや記帳BPOも比較します。

判断フロー|顧問先数・帳票の種類・会計ソフト・直せる人で決める

対象業務を1つ決め、まず業務を外に出すか、仕組みを所内で使うかを分けます。

1. 入力業務そのものを外に出したいか

はい → 記帳BPO。委託範囲、品質確認、受入量と納期を決めます。所内で仕組みを使いたい場合は2へ進みます。

2. 既製ツールの試用で必要な工程が回るか

はい → パッケージ・SaaS。確認・修正を含めた残作業と、会計ソフトの取込形式・API利用条件も確認します。

3. 合わない手順を製品に合わせられるか

はい → 運用変更とセットでパッケージ・SaaS。顧問先への依頼も変えられるかを見ます。

4. 直せる人がいて、範囲が小さく例外が少ないか

はい → 内製。作者以外も修正・検証できる体制を作ります。

5. 発注前に仕様と完成基準を決められるか

はい → 開発会社への外注(請負を中心に工程別に契約)。書き切れなければ、要件定義の支援も候補です。

6. 作りながら優先順位を決めたいか

はい → 開発会社のアジャイル型、またはFDE型。現場の業務確認と導入後の改善も任せたい場合はFDE型が候補です。IPAのアジャイル開発版は準委任を前提としていますが、実際の契約類型と責任分担を確認します。

どれにも当たらなければ、対象業務を小さく区切り直すか、業務の洗い出しとAI導入の7ステップから始めます。

方法を組み合わせる例

  • パッケージで証憑を読み取り、事務所独自の取込形式への変換だけを所内で自作する。
  • 入力は記帳BPOに出し、戻ってきたデータの確認だけを所内で行う。
  • FDE型で作った仕組みを、手順書を受け取って所内で運用する。
状況別の早見表表は左右にスクロールできます。
事務所の状況候補になりやすい方法確認すること
顧問先が少なく、帳票がほぼ定型パッケージ・SaaS試用で残る作業の量
顧問先が多く、手書きや独自様式の帳票が多い記帳BPO(入力を手放す)、開発会社(請負・アジャイル)、FDE型(現場確認と継続改善)例外の洗い出しと、事務所側で割ける時間
顧問先ごとに会計ソフトが異なる複数のソフトに出力できるパッケージ、または変換部分の自作・開発各ソフトの取込形式とAPIの利用条件
所内に直せる人がいる所内での自作(範囲が小さい場合)作者以外が直せるか
所内に直せる人がいないパッケージ、記帳BPO、保守契約つきの開発、FDE型保守の範囲と料金の決まり方
繁忙期の入力量の山が大きい記帳BPO委託先の監督と再委託の扱い

補助金を使うときの注意|デジタル化・AI導入補助金2026

「デジタル化・AI導入補助金2026」の公募要領(通常枠、2026年2月27日作成、2026年10月10日確認の掲載版)では、補助の対象はIT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用です。

  • 交付決定前に購入したITツールや、交付申請時に利用金額が定められないものなどは対象外です。
  • 内製やFDE型を含む個別の開発も、登録されたITツールでなければ対象になりません。
  • 個人の税理士事務所は、個人事業主として業種・従業員数等の定義と申請要件を照合します。GビズIDプライムとSECURITY ACTION(一つ星又は二つ星)の宣言も必要です。
  • 申請対象の法人類型の一覧に税理士法人の明示はないため、対象になるかは事務局に確認してください。

補助金を前提にすると、業務に合う方法を選ぶ順序が逆になりがちです。先に方法を決め、使える登録ツールがあるかを後から確認します。

よくある質問

会計事務所のAIは、内製と外注のどちらが安いですか?

一概には言えません。自作は支払いが小さく見えても作る人・直す人の時間がかかり、外注は契約範囲外の修正が追加費用になります。運用中の修正と保守まで含めて比べてください。計算の方法はAI費用対効果の測り方で解説しています。

ChatGPTやGASで自作したツールを職員に使わせてもよいですか?

作った人以外が直せるか、認証情報がコードやシートに書かれていないか、入力するデータが所内ルールの範囲内かを先に確認します。ルールの作り方は生成AI利用規程の作り方を参考にしてください。

職員数人の事務所はどこから始めればよいですか?

1つの定型業務をパッケージで試し、残る作業を測ります。小さな変換だけが残るなら内製・開発を、入力の人手が不足するなら記帳BPOを比較します。人数だけで方法を決めません。

記帳BPOに出すとき、顧問先の同意は必要ですか?

利用目的の達成に必要な範囲で個人データの取扱いを委託する場合、委託先は第三者提供の制限の適用上、第三者に該当しません(個人情報保護法27条5項1号)。ただし委託先の監督は必要で、税理士の守秘義務や顧問契約の定めとの関係は別に確認が要ります。委託先が外国にある場合は28条の確認も必要です。見直し方はAI利用に顧問先の同意は必要?で解説しています。

途中で導入方法を変えられますか?

変えられますが、データの出力、設定・ルール・ソースの引継ぎ、利用・改修権限が必要です。内製から外注へ移す場合も、同じ検証データと期待する結果を残し、二重計上を防ぐ切替日を決めます。

FDE型と開発会社への外注は何が違いますか?

開発会社も要件定義やアジャイル開発で作りながら決められます。本記事のFDE型は現場の業務確認から導入後の改善までを担う形態です。名称よりも現場確認・改善・保守の契約範囲で比べてください。

補助金は使えますか?

デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の対象は、事務局に登録されたITツールの導入費用です。自作や個別の開発は、登録されたITツールでなければ対象になりません。

まとめ

まず対象業務と保守の担当者を決めます。

  • 共通の工程はパッケージ・SaaS、小さな変換・集計は所内での自作
  • 入力業務を手放すなら記帳BPO、個別開発なら開発会社の請負・アジャイル型も候補
  • 現場での業務確認と導入後の改善まで任せたいならFDE型も比較

契約・データ管理・保守を確認し、対象業務1つで判断フローを試してください。

参考資料

情報の確認日:2026年10月10日。別日の資料は個別に記載しています。

主な出典

出典の詳細を見る

この記事の編集方針・執筆者

Zeimee編集部は、会計事務所のAI導入・開発を支援する株式会社Zeimeeの編集部です。

本記事は、既製のツールでは合わない業務がある会計事務所が、AIを入れる方法を選ぶための判断材料として作成しました。法令はe-Gov法令検索、個人情報の扱いは個人情報保護委員会のガイドラインとQ&A、契約の考え方はIPA(情報処理推進機構)・経済産業省のモデル取引・契約書、常駐・同席型の開発の注意点は厚生労働省の疑義応答集、補助金は事務局の公募要領と、一次情報を中心に確認しました。会計ソフトの提供会社(TKC)とGoogleの情報は各社の公式ページで確認し、外部リンクは設けていません。情報の確認日は2026年10月10日です。

特定のツールやサービスの実機検証は行っていません。比較表は、消費者庁の「比較広告に関する景品表示法上の考え方」を参考に、5つの方法を同じ項目で比べ、運営元が提供するFDE型の短所もほかの方法と同じ粒度で記載しています。費用の相場は一次情報で確認できなかったため掲載していません。判断フローの数値や組み合わせは説明のための一般的な例です。法令の解釈を含む個別の判断は、専門家や所管官庁にご確認ください。

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