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税理士事務所の生成AI利用規程の作り方|入力区分・確認・教育のひな形つき

税理士事務所のルールづくり

生成AIの利用規程

10項目

入力・確認・教育を決める

条項と別表のひな形つき
運営元・掲載情報について

本記事は、会計士・税理士事務所向けのAI導入・開発支援「Zeimee」を提供する株式会社Zeimeeが執筆・運営しています。TKC全国会や日本ディープラーニング協会の指針、汎用の生成AIサービスに触れていますが、サービスの比較や推奨を目的としたものではありません。外部サービスへの誘導リンクは設けていません。

税理士事務所の生成AI利用規程に入れる10項目と、作成の6ステップを解説します。条項例・許可ツールと入力区分の別表・教育の文例を使って、自所のルールを具体化できます(情報は2026年10月10日時点で確認)。

この記事の結論

最初に行うことは、使っているAIの聞き取り、許可ツールの別表1、帳票別の入力区分の別表2を作ることです。

  • 既存の服務規則・誓約書・情報管理チェックリストと整合させる
  • 規程の核は「許可ツール」「帳票単位の入力区分」「人の確認」の3つ
  • この例ではマイナンバー・医療・障害関係の資料を生成AIへの入力禁止とする
  • 誤入力時の報告ルートと期限、年1回の見直し日を規程に書いておく

税理士事務所の生成AI利用規程の作り方6ステップ

利用実態を調べ、別表を埋めてから条項を確定する運用例です。

1. 使っているAIと用途を聞き取る

プラン、アカウント、端末、入力帳票、出力の用途を調べます。文書・会議ツールのAI機能や拡張も対象にし、実態把握が目的と伝えます。

2. 許可ツールを決めて別表1を作る

契約、学習利用、保存・共有、アカウント管理を確認し、利用者と業務を指定します。別表1に確認日を残します。

3. 帳票を洗い出して別表2を埋める

通帳、給与台帳、源泉徴収票などを内容・提出先別に整理し、入力区分表へ記入します。同意・許諾や個人番号の条件を確認し、不明な帳票は許可を保留します。

4. 条項と報告窓口を確定して周知する

文例を服務規則・顧問契約と整合させ、必要な就業規則の変更手続も行います。代理者と時間外の連絡方法は別表3に書きます。

5. 一つの業務で確認と報告を試す

顧問先情報のない下書きから試し、入力区分、出力確認、誤入力の連絡が機能するか確認します。仕訳登録や外部送信は承認後に行います。

6. 記録を見て改訂する

迷った帳票や未登録のAI機能を整理します。定期・臨時の見直し時期を決め、改訂日と承認者を記録します。導入全体はAI導入の7ステップを参照してください。

生成AI利用規程に入れる10項目|条項例と別表のひな形

以下は編集部が独自に作成した一般的な条項例です。日税連やJDLAの様式を転載・改変したものではありません。[ ]を自所の内容に置き換え、別表1〜3を添付します。罰則や委託先への適用は、既存の就業規則・契約と整合させてください。

ひな形を使うときの注意

法的助言ではなく、すべての事務所にそのまま適用できる規程ではありません。自所の業務、就業規則、顧問契約との整合は、弁護士・社会保険労務士などに確認してください。

第1条 目的と適用範囲

本規程は、業務の品質と顧問先の情報を守りながら生成AIを利用するための所内ルールを定める。職員、パート、派遣職員、所属税理士その他当事務所の業務で利用する者を対象とし、在宅勤務と私物端末での利用にも適用する。外部委託先については、契約で必要な遵守事項と監督方法を別途定める。

第2条 対象ツールとアカウント

生成AIとは、指示に応じて文章等を生成する機能をいい、文書作成ソフトや会議ツールに組み込まれた機能、ブラウザ拡張も含む。許可ツールとは、別表1でサービス、プラン、設定、利用者を指定したものをいう。業務システムとは、契約・データの扱い・操作権限・確認手順を個別に審査した仕組みをいう。事務所管理のアカウントを用い、個人アカウントの業務利用は禁止する。対応するサービスでは多要素認証を設定し、退職・異動時は権限を停止又は変更する。

第3条 利用申請と承認

別表1にないツール、新たな業務、外部システムとの接続は、入力する情報と操作範囲を示して事前に責任者の承認を得る。無料・有料の別だけで許可しない。契約・規約・学習利用・保存期間・再委託先の条件を確認し、その日付を記録する。

第4条 入力区分

入力は別表2のA〜Dの区分に従う。Bは識別につながる情報を除き、置き換え後も特定できないか確認する。Cは個別に承認された業務システムに限り、顧問契約、許諾・同意の要否、利用目的、学習利用、保存、アクセス権限を確認した範囲で扱う。Dは汎用チャット・業務システムを問わず生成AIに入力しない。区分が不明な情報は入力前に相談する。

第5条 出力の確認と利用

出力は下書き又は候補として扱う。担当者は原本、計算結果、法令・通達等の一次資料を確認し、税務判断や申告書等への反映は税理士が最終確認する。会計ソフトへの登録は承認後に行い、登録結果を照合する。事務所通信、HP、研修資料等へ公開する場合は、第三者の著作権等、引用、秘密情報、事実の正確性を確認し、AI利用の表示が必要かを規約・媒体の条件に照らして判断する。

第6条 記録と保存

業務、利用日時、ツールとプラン、帳票又は案件の管理ID、確認者、承認と反映の結果を、指定の台帳に記録する。台帳にはパスワード、認証用キー、入力した顧問先情報の全文を記載しない。入力・出力そのものの保存が必要な場合は、目的、保存期間、アクセスできる者、削除方法を別に定める。

第7条 教育

利用者は入所時、毎年1回及びツール・規程の変更時に、入力区分、出力の確認、誤入力の報告について研修を受ける。責任者は受講者と実施日を記録し、未受講者への利用許可を保留する。年1回という頻度は当事務所の運用上の定めであり、法令が一律に指定する回数ではない。

第8条 誤入力と違反時の対応

誤入力又は違反を知った者は利用を止め、別表3の責任者に直ちに報告する。責任者は記録の保全と拡大防止を指示し、影響範囲、委託元への連絡、法定報告・本人通知の要否と期限を確認する。違反への措置は就業規則その他の適用規程に従い、本規程だけで処分を決めない。

第9条 見直し

毎年[月を記入]に、許可ツール、入力区分、利用記録、教育を見直す。法令・指針の改正、規約・プラン・保存条件の変更、事故の発生時には臨時に見直す。改訂日と承認者を残し、変更点を利用者に周知する。

第10条 相談と報告窓口

通常の相談、誤入力、時間外の事故は別表3の手段で連絡する。責任者が不在の場合の代理者を定め、顧問先・サービス提供者への連絡先はアクセスを制限した管理台帳に保管する。規程と別表1〜3は、すべての対象者が確認できる場所に置く。

別表1 許可ツールの記入様式

許可ツールごとに1枚作り、同じサービスでもプラン・設定・利用目的が異なる場合は分けます。「学習に使われない」だけで許可せず、保存、共有、再委託、アクセス権限も確認します。

別表1 許可ツールの記入様式表は左右にスクロールできます。
項目記入欄
サービス・プラン・機能[正式名称、プラン、組み込みAI・拡張機能の有無]
アカウントと利用者[事務所管理のアカウント、対象職員、多要素認証の設定]
必須設定[学習利用、保存期間、共有、アクセス権限の確認結果]
入力できる区分・業務[Aのみ/Bまで/個別審査済みのC、業務名]
管理者・停止方法[管理者、退職時や事故時に利用を止める手順]
根拠と確認日[規約・契約の参照先、確認日、承認者、次の見直し日]

別表3 相談・事故報告窓口の記入様式

規程には連絡経路を示し、個人の連絡先や顧問先一覧はアクセスを制限した管理台帳に置きます。連絡したことと受領されたことを分けて確認できる方法にします。

別表3 相談・事故報告窓口の記入様式表は左右にスクロールできます。
項目記入欄
責任者・代理者[役職、連絡先の管理場所、不在時の代理者]
通常の相談[相談手段、受付時間、回答する担当]
誤入力・時間外の連絡[緊急連絡手段、受領確認がない場合の次の連絡先]
顧問先・提供者への連絡[連絡する担当、連絡先台帳の保存場所、契約上の通知条件]
報告の記録[発覚日時、案件ID、入力区分、拡大防止、報告の判断、対応期限]

業務システムを導入する場合の確認

読み取りや仕訳候補の作成を行う仕組みは、学習利用、保存、再委託、顧問先の分離、認証情報、承認と反映の記録を審査します。質問票はAIツール選定セキュリティチェックシートを参照してください。

Zeimeeは業務に合わせたAI導入・開発を支援します。データの扱いと導入事例もご確認ください。汎用チャットで足りる業務には、個別開発が向かない場合があります。

入力区分表の作り方|通帳・領収書・給与台帳・源泉徴収票・申告書ごとに決める

「顧問先情報は入力禁止」だけでは、通帳の画像や本人交付用の源泉徴収票をどう扱うかに答えられません。帳票単位で区分を決め、別表2にします。

区分は4段階で定義する(例)

  • A 入力可:公開情報、顧問先の情報を含まない一般的な質問
  • B 条件付き:顧問先名・個人名・口座番号などを記号に置き換えたうえで、許可ツールに限り入力可
  • C 業務システムのみ:事務所が契約と設定(学習利用・保存・アクセス権限)を個別に審査し、顧問契約と許諾・同意の要否を確認した業務システムに限る
  • D 入力禁止:汎用チャット・業務システムを問わず生成AIに入力しない

A〜Dは情報の区分で、プランの順位ではありません。法人向けプランやAPIでも、Cは個別審査が必要で、Dは入力禁止です。説明と書類の見直しは顧問先の同意、法的な考え方は守秘義務と生成AIの判断表を参照してください。表は編集部の推奨例です。右端に自所の区分を記入します。

帳票別の入力区分表(記入様式)表は左右にスクロールできます。
帳票・情報含まれやすい情報推奨区分の例根拠・注意所内ルール(記入)
税法・制度の一般的な質問公開情報のみA回答は条文・通達で確認□A □B □C □D
所内文書・研修資料事務所の手順、職員名A〜B顧問先一覧は含めない□A □B □C □D
顧問先向け説明文の下書き顧問先名、金額、個別の事情B名称・金額を置き換える□A □B □C □D
通帳・入出金明細口座番号、取引先名、個人名、残高C画像のまま汎用チャットに入れない□A □B □C □D
領収書・請求書取引先名、登録番号、個人事業主の氏名・住所C個人の顧問先は本人の個人情報□A □B □C □D
給与台帳・賃金台帳従業員の氏名・給与・扶養C(個人番号欄があればD)顧問先から委託を受けて扱う個人データ□A □B □C □D
源泉徴収票(本人交付用)氏名・住所・支払金額C個人番号は記載しない(国税庁)□A □B □C □D
源泉徴収票(税務署提出用)個人番号D番号法19条・20条□A □B □C □D
扶養控除等申告書・確定申告書(控えを含む)個人番号を含み得る、家族の情報、所得D(個人番号・医療・障害等のD情報を除き、再審査したデータのみC)申告書等には個人番号の記載が必要(国税庁)□A □B □C □D
医療費控除の明細・医療機関の領収書医療機関名、診療・調剤を受けた事実D要配慮個人情報を含み得る(施行令2条3号)□A □B □C □D
障害者控除の資料障害があること、その程度D要配慮個人情報を含み得る(施行令2条1号)□A □B □C □D
相続関係書類相続人の氏名・続柄、財産、預金の取引履歴C親族関係から特定されやすい□A □B □C □D
マイナンバー(個人番号カードの画像を含む)個人番号D番号法10条・19条・20条□A □B □C □D

源泉徴収票は本人交付用と税務署提出用を分けます。国税庁は本人交付用には個人番号を記載しないと案内していますが、氏名・住所・給与等は残ります。医療費や障害関係の資料は要配慮個人情報を含み得るため、この例ではDにします。個人番号欄を消しただけで別の情報まで自動的に許可されるものではありません。

説明文の下書きは顧問先名を「顧問先A」等に置き換え、住所・口座番号・固有の取引先名を除きます。特徴的な取引・金額で特定できる場合もあるため、置き換え後も確認します。

業務別の利用可否と確認方法|調べもの・文書作成・読み取り・仕訳候補・申告書

入力区分と合わせて、業務ごとに使える範囲と確認者を決めます。表の区分は、この規程例で入力を認める上限です。Cまでの業務でもDの情報は入力せず、具体的な処理内容を別表1・2と照合します。

業務別の利用可否と確認方法の例表は左右にスクロールできます。
業務入力できる最も機微な区分(例)確認者・確認方法
税法・制度の調べものA担当者が条文・通達をe-Govや国税庁のサイトで確認
所内文書・メールの下書きA〜B作成者が内容を確認
顧問先向けの説明文B担当者が確認し、税務の記載は税理士が確認
証憑・帳票の読み取りC担当者が原本と照合
仕訳候補の作成C担当者が確認・修正・却下・承認し、承認後に会計ソフトへ反映
仕訳チェックC担当者が根拠を確認し、上長がレビュー
申告書・届出書の作成B(個人番号は入力しない)論点の洗い出しにとどめ、税理士が最終確認
税務判断・相談への回答B税理士が判断し、出力をそのまま回答に使わない
面談・会議の文字起こし、議事録C参加者への説明、録音の了承、顧問先との条件を確認し、担当者が原音と照合
Excel関数・マクロの作成A顧問先データを使わず、ダミーデータで計算・動作を検証してから使用

調べものでは、JDLAのひな形が生成物に虚偽が含まれる可能性を、AI事業者ガイドライン(U-2)が出力の精度やリスクの理解を挙げています。条文番号や適用時期は一次資料で確認します(使い方の例は会計事務所のChatGPT・生成AIの使い方)。読み取りや仕訳候補は、担当者が承認したものだけを会計ソフトへ反映し、承認と反映を分けて記録すると、取込の失敗による計上漏れに気づきやすくなります。

生成AI利用規程が必要な理由と既存規程への足し方

税理士法38条・54条の守秘義務と、41条の2の使用人等の監督を踏まえて規程を作ります。41条の2の対象はAI自体ではなく、税理士業務のために使用する職員です。

個人情報保護法23条・24条は安全管理と従業者の監督を定めます。通則編10-2・10-4は取扱規程と定期的な研修の手法を示しており、AI利用規程を既存の情報管理・教育に接続すると運用を揃えやすくなります。

日税連の内部規律指針の公開ページにある様式名をもとに、AI利用について足す項目を整理しました。様式の文面は転載していません。

既存の様式に足す内容の例表は左右にスクロールできます。
既存の様式足す内容(例えば)
服務規則「AI利用」の章(許可ツール、入力区分、出力の確認、報告義務)
使用人等雇用時の誓約書入力区分の遵守、誤入力時の報告義務
情報管理チェックリスト許可ツールの契約・設定、利用記録、教育の実施
テレワーク服務規程自宅・私物端末でのAI利用の可否と条件
業務日報AIを使った業務、ツール、確認者の記録欄

JDLAは組織ごとの目的に合わせてひな形へ追加・修正することを案内しています。各指針の位置づけは税理士のAIガイドライン一覧で確認し、自所のツール・帳票・承認者は所内で具体化します。

常時10人以上の労働者を使用する事務所は、就業規則の作成・届出が必要です(労働基準法89条)。変更時には過半数組合又は過半数代表者の意見を聴き(90条)、労働者に周知します(106条)。制裁を定める場合の種類・程度も89条9号の記載事項です。規程への署名だけで変更手続が済むとは考えず、既存の規則と整合を確認します。

誤入力時の報告ルートと初動|規程に書く連絡・記録・期限

入力してはいけない情報を入力したときに、誰に何をいつまでに伝えるかを決めておきます。次の手順は、通則ガイドライン3-5-2が示す漏えい等への措置を事務所向けに具体化した例です。

1. 入力を止め、責任者に直ちに報告する

法人ではいずれかの部署が知った時点が報告期限の起算点です(通則ガイドライン3-5-3-3)。

2. 事実を記録する

日時、ツールとプラン、入力内容、顧問先、本人の数を記録します。

3. 被害の拡大を防ぐ

責任者の指示で共有リンクや接続権限を停止します。履歴の削除は証拠を失う場合があるため、必要な記録を保全し、提供者と対応方法を確認します。

4. 顧問先(委託元)へ速やかに連絡する

調査の完了を待たず、判明した情報を委託元へ通知し、追加情報を共有します。個人情報保護法26条1項ただし書の報告免除の条件も確認し、委員会報告・本人通知の担当を調整します。

5. 影響範囲を調べる

学習利用の設定、保存の有無、第三者が閲覧できたかを確認します。

6. 報告の要否を判断する

個人データ・個人番号の有無、閲覧の可能性、報告対象の条件を確認し、迷えば委員会の資料や専門家に相談します。

7. 委員会への速報・確報と本人への通知

報告対象なら期限内に報告し、本人に通知します。

8. 再発防止策をとり、規程と区分表を見直す

許可ツール・区分表・教育の内容を直します。

規程では、職員の内部報告を「直ちに」と定め、委員会への法定報告・本人通知とは分けます。生成AIに誤入力したことだけで報告の要否を決めず、情報の内容と実際の取扱いを調べます。個人情報と特定個人情報では報告基準が異なるため、責任者は適用法令と期限を確認してください。

窓口の台帳には発覚日時、ツール・入力区分・操作、案件ID、影響範囲、拡大防止、報告の判断と期限を残します。入力内容の全文を通常のチャットや日報へ転記しないよう、安全な報告経路を決めます。

法定報告と令和8年改正の施行状況は個人情報保護法の改正と会計事務所のAI利用、安全管理全体は生成AIセキュリティ対策の7項目で整理しています。

職員教育・年1回の見直しと、小規模事務所向けの簡易版

教育は入所時・年1回・ツール追加時に

通則ガイドライン10-4は定期的な研修を例示しています。入力区分・出力確認・誤入力の報告を扱い、受講記録を残します。年1回はこの規程例の頻度です。

30分研修の構成例と答え合わせ

配分例は、入力区分10分、出力確認10分、誤入力の報告5分、設定確認5分です。実測した効果ではありません。設問は自所の別表に合わせます。

  • 本人交付用の源泉徴収票はどの区分か:この例ではC。氏名・住所・給与を含むため、個別審査済みの仕組みで扱います。
  • AIの条文番号を使う前に何をするか:e-Gov等で条文・適用時期・事実関係を確認します。
  • 個人番号を誤入力したらどうするか:入力を止め、責任者へ報告します。履歴の削除だけで済ませません。
誓約書に足す一文の例

「私は、許可ツールと入力区分を守り、出力を所定の方法で確認します。誤入力や違反を知ったときは、直ちに指定の責任者へ報告します。」この文例を既存の秘密保持・服務規則と突き合わせます。

年1回の見直しチェックリスト表は左右にスクロールできます。
確認項目確認すること
許可ツール規約・プラン・学習利用の設定の変更(確認日を記録)
入力区分表新しい帳票や業務に対応する行があるか
誤入力・ヒヤリハット件数と内容、再発防止策が機能しているか
教育全職員の受講記録があるか
法令・指針令和8年改正個人情報保護法の施行、日税連ガイドライン、AI事業者ガイドラインの改訂
顧問先への同意・通知顧問契約書・同意書・個人情報保護方針の見直し状況

小規模事務所向けの簡易版(A4一枚)

所長と数名の事務所では、許可ツール(サービス名・プラン・設定)、入力区分の要点(例えば、Dはマイナンバー・医療・障害関係、Bは置き換えてから)、確認者(申告書等は所長)、誤入力時の連絡先、次回の見直し日の5項目をA4一枚にまとめる方法もあります。

ただし、通則ガイドラインで簡易な手法が示される「中小規模事業者」(従業員100人以下)からは、委託を受けて個人データを取り扱う者が除かれ、番号法ガイドライン(事業者編)でも委託に基づいて個人番号関係事務を業務として行う事業者が除かれます。記帳代行や年末調整を受託する事務所は特例の対象外になり得るため、A4一枚の要約だけで安全管理措置を満たしたと判断せず、実際の取扱規程と運用を別途整備してください。

既存の規程がなければ、IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月27日)の規程サンプル、クラウド利用・事故対応の手引きも参照できます。

よくある質問

法人向けの有料プランなら、顧問先情報を入力してよいですか?

法人向け・有料という名称だけでは許可しません。契約、学習利用、保存、アクセス権限と顧問先への説明・同意の要否を審査します。区分Cは個別に許可した仕組みだけ、Dはどのプランでも入力禁止というのが本記事の規程例です。

職員が私物のスマートフォンでAIを使っていた場合はどうしますか?

まず用途、アカウント、入力した情報、共有先を聞き取り、許可されていないツールへの入力や情報の誤入力があれば責任者へ報告します。Dだけが事故の対象ではありません。必要な記録を保全し、私物端末の可否と利用条件を規程で周知します。

AIを使うことについて、顧問先の同意は必要ですか?

入力する情報やサービスでの取扱い・契約によって判断が分かれ、一律には言えません。要否の考え方は守秘義務と生成AIの判断表、同意書や顧問契約書の見直しは顧問先の同意と書類の見直し方で整理しています。

メールや表計算ソフトに内蔵されたAI機能も規程の対象ですか?

本記事の例では対象にします。チャット画面以外でも、文章生成、要約、会議の文字起こし、ブラウザ拡張などで外部へ情報が送られることがあります。機能とプランを別表1に登録し、会議では録音・外部処理について参加者への説明や同意の要否を確認します。

AIで作った文章を事務所のホームページに掲載してよいですか?

掲載担当者が内容の正確性、個人情報、著作権などの第三者の権利を確認し、公開責任者が承認します。生成物を無条件に使えるとは考えません。AI利用の表示についても、契約や媒体の規則を確認して決めます。

まとめ

  • 既存の服務規則・誓約書・情報管理チェックリストにAIの章を足し、許可ツール・帳票単位の入力区分・人の確認を核にする
  • 誤入力の報告ルート、責任者と代理者、法定報告の要否・期限の確認手順を決める
  • 規約・設定・法令の変更を確認し、定期と臨時の見直し方法を規程に書く

使っているAIと帳票を洗い出し、別表1〜3を埋めることから始めてください。

参考資料

情報の確認日:2026年10月10日。別日の資料は個別に記載しています。

日本税理士会連合会のAI・クラウド活用ガイドラインは会員専用で、本文は未確認です。

主な出典

出典の詳細を見る

会員専用ページと民間企業の発表は、リンクを設けず名称と日付のみを記載しています。

この記事の編集方針・執筆者

Zeimee編集部は、会計事務所のAI導入・開発を支援する株式会社Zeimeeの編集部です。

本記事は、税理士事務所が職員の生成AI利用ルールを作る手順を、法令・官公庁・業界団体の一次情報をもとに整理したものです。法令の条番号はe-Gov法令検索で、ガイドライン・指針は各発行元のサイトで確認しました(情報の確認日:2026年10月10日)。

日税連の内部規律指針は公開ページにある様式名を参照しており、様式本文の転載はしていません。会員向けの「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」の本文は確認していません。生成AIサービスの設定画面などの実機検証は行っていません。条項例と区分表は編集部が作成した一般的な例で、法的助言ではありません。

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